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斉藤 敦
SES事業本部 第3システム部 部長
サービス事業本部 第2サービス事業部
2004年 中途入社/エンジニア
代表の誘いで、知識ゼロのIT業界へ飛び込む
元々は、建築の設計や現場監督の仕事をしていました。親が職人だったこともあり、工業高校へ進学して機械設計を学んでいたのですが、図面を書く授業が楽しく、もっと大きいモノを作りたいと思うようになり、卒業後は職業訓練校で建築設計について学びました。
建築事務所に就職して経験を積んだ後、ラジオの編集室やレコーディングスタジオなどの音響設計の仕事を3年半ほど経験しました。
そして2004年頃、地元の先輩でもあるソシアス代表の出羽から「会社を立ち上げたから一緒にやらないか」と声をかけてもらいました。建築業界の仕事は面白くて満足していましたが、労働時間や待遇面において将来性への不安もありました。
ITに関する知識はほとんどなかったものの、「これから伸びていくであろう業界に挑戦してみるのもいいかもしれない」と感じました。あの日、思い切ってキャリアチェンジをしてソシアスに入社してから、気づけばもう21年になります。
入社後は一貫してインフラ領域で経験を積む
入社後は、一貫してインフラの設計・構築に携わってきました。最初は構築の一部のみを担当していましたが、徐々に設計や要件定義などの上流工程にも関わるようになりました。建築業界で働いていた時代にはCADを使って図面を描くなどPCで作業することも多かったので、ITは未経験だったものの業務にはスムーズに馴染めました。
最近では顧客への提案や見積もり作成、現場のメンバーのマネジメントなど、横断的な業務が中心になってきています。現在のお客様先は勤務し始めて16年以上になり、現場のリーダーをしつつ、設計や構築にも関わっています。数年前から、部長としてソシアスのエンジニアのマネジメントも担っています。
建築とIT、業界は違えど「モノづくり」という点は同じ
建築とIT、一見すると全く違う業界に見えるかもしれませんが、実は近しい部分も多いです。
設計図を描いて、何かを作っていくという点では共通していますし、完成したときの達成感も似ています。最終的にできあがるモノが、見えるか見えないかの違いだけだと思っています。建築でも設計図を書くのが好きだったので、インフラ構築においても設計工程が好きですね。
多くの人が関わって、一つの成果物を作り上げるという点も同じです。人の雰囲気というか、カルチャーの違いは確かにあります。建築業界は感情を表に出す人が多く、良くも悪くも何でも言い合えるような関係でした。一方で、IT業界は物静かな人が多く、理論的でスマートな人が多い印象です。
でも、そのギャップで困ったことはありません。人と話すのが好きなので、どんなプロジェクト内容でも、どんな人が参加していても、関係者と協力しながら進めていくことにやりがいを感じます。

忘れられない、2年半におよぶハードなプロジェクトでの経験
これまでで特に印象深いのが、2年半にわたって続いた、ある外資系BtoC企業のプロジェクトです。スケジュールは常にタイトで、求められる技術レベルも非常に高く、今では考えられませんが、連日の深夜作業は当たり前。ただ、不思議と「大変だ」という感覚はありませんでした。
というのも、お客様先の担当者の方が、私たち以上に過酷な状況で働いていたからです。私たちの稼働が深夜0時を回る一方、その方は翌3時、場合によっては徹夜まで。リーダーとしてチーム全体の成果を背負い、クレームや緊急トラブル対応といった神経をすり減らす仕事にも真正面から向き合う。その責任感の強さと、決してあきらめない姿勢が、現場の士気を支えていました。
特に記憶に残っているのが、サーバーのリプレイスです。新しいサーバーの性能が思うように出ず、何度も徹夜しながら検証とやり直しを重ねました。作業は困難を極めましたが、最後まで粘り強く対応したおかげで無事に公開へとこぎつけることができ、「この人とだからやり切れた」と心から思いました。完了した時に見せてくれた、普段は見せない笑顔は忘れられません。
最初は厳しい方という印象で、名前すら覚えてもらえていませんでしたが、叱られた後に一緒にタバコ休憩へ行き、いろいろなことについて本音で話せたことで、仕事相手以上の信頼感が生まれました。そこから徐々に重要な仕事を任せてもらえるようになり、最後には冗談を言い合える関係に。一人前として認められた実感は、今でも大きな自信になっています。仕事への「覚悟」を教えてもらった、私のキャリアの原点となる経験です。
複数プロジェクトの並行による、時間の捻出の難しさ
日々の業務の中でやりがいを感じる瞬間はたくさんあります。たとえば、提案資料を作るときはストーリーを組み立てていきますが、その通りに打ち合わせが進み、相手に納得してもらえたときは気持ち良いですね。管理職としては、ソシアスのメンバーが自発的に動けるように成長したときに、喜びを感じます。
一方で、現場の業務で大変さを感じるのは、やはり仕事量の多さです。お客様先で複数のプロジェクトを同時並行で担当していて、定例会議の準備や進捗管理など、全て一人でこなしています。お客様先のメンバーにも得意・不得意があるので、自分に業務が集中しやすくなってしまっている面はあると思います。
ソシアスでは、部長としての役割も担っています。管理職業務で大変なのは、時間のやりくりです。メンバーとの面談などは、どうしても業務後の時間帯に偏りがちなので、遅い時間になってしまいます。
業務の効率化のために、事務的なタスクはできる限り効率よく片付けて、より思考が必要な業務に時間を割けるようにしています。たとえば、3つの課会を全て月末にまとめて実施するなど、スケジュールを集中させることで、まとまった時間を空けられるようにしています。
役職は「偉い」わけじゃなく、ただの「役割」
正直、自分から「管理職をやりたい」と思っていたわけではありません。ただ、建築業界でやっていたプロジェクトマネジメントと、人のマネジメントはつながっている部分も多いと考えていたので、やれると思いました。
部下や若手の社員と接するときには、できるだけフランクなコミュニケーションを意識しています。管理職として目標に対する責任を持つ立場ではありますが、「部長だから偉い」とは全く思っていません。
実際、よくメンバーにも「役職は役割であって、偉いわけではないよ」と伝えています。自分自身、若い頃からあまり上下関係を気にせずに先輩と話すタイプだったので、部下や後輩にも冗談を言い合えるくらい「話しやすい存在」と思ってもらえると嬉しいですね。

成長に必要なのは「真面目さ」と「反骨心」
未経験入社や若手の社員が成長するために必要なのは、まず真面目さだと思います。当たり前のことでもコツコツと積み重ねられる人は、着実に成長していきますし、「会社のためにこれをやってみよう」と自発的にチャレンジできるとより良いですね。
一方で、意外と「反骨心」も大事だと感じています。私自身、理不尽なことを言われたときに「仕事で成果を出して見返してやろう」と考えることで、もっと頑張れた時期がありました。そういう「負けず嫌い」な気持ちが、力になることは多いと思いますね。
自分がしてもらったことを、今度は部下に返していきたい
部長として部下をサポートする立場ではありますが、現場の仕事が多く、実際なかなかメンバーと深く関われていない現状もあります。今後はもっとキャリアプランの相談に乗ったり、メンバーと一緒に将来について考えたりする機会を増やしていきたいと思っています。
私自身も、昔は代表の出羽によく将来のことを相談していました。その経験があったからこそ、今のキャリアにつながっていると感じています。今度は自分が誰かにとってそういう存在になりたいと思っています。
会社が成長するにつれて変化するのは当たり前のこと
2004年にソシアスへ入社した当時は、メンバーが10人にも満たない、オフィスもない小さな会社でしたが、今では300名近い規模に成長しています。
会社が大きくなること自体は、ポジティブに捉えています。もちろん、急速に組織が拡大したことで、マネジメント体制が追いつかず、既存の管理職の負荷が大きくなってしまう場面や、メンバーフォローが十分にできていないと感じる瞬間もあります。ただ、それも成長過程における当然の課題だと思っています。
「昔のソシアスは良かった」と言う人もいますが、「何がどう良かったのか?」を明確に語られるケースはあまりない印象です。私自身は、会社の根本は変わっていないと思っていますし、会社が成長するにつれて変化や課題が生まれるのは、ごく自然なことだと思っています。
いつかソシアスとしてサービスを作りたい
今後やっていきたいこととしては、2つあります。一つは、コンサルティング業務の割合を増やしていくこと。お客様と直接やりとりをしながら、一緒に最適な環境を作っていくプロセスが、自分にとってはやっぱり楽しいです。
もう一つが、ソシアスとして何か新しいサービスや事業を作ることです。最近ではSNSやシェアリング系のサービスがどんどん立ち上がっていて、面白いサービスが増えているなと感じます。
これまでやってきたインフラの仕事は、「なくてはならない」基盤を支える重要な役割です。その反面、正確性や安定性が求められるため、どうしても裏方的で、「ワクワク」を感じる機会はあまり多くありません。
まだ具体的な構想があるわけではありませんが、いつか仲間と一緒にアイデアを出して、ゼロから何かを形にするような挑戦をしてみたいですね。